空間工房森田

岐阜県の一級建築士事務所・工務店

日々のこと

断熱基準の法改正について

みなさんこんにちは!
少し暖かい日差しが入ってくるようになりましたね。

この冬時期に打合せをするお施主様が皆さんお問い合わせいただくのが断熱の考え方についてです。
昨今「法律が改正される」という話を耳にされる方も多いでしょうから、今回はその内容について簡単にご紹介します。

法改正スケジュール

断熱仕様に関する法改正は2025年と2030年ごろの2回にわたって改正が予定されています。
日本が世界に約束した二酸化炭素排出量削減目標を達成するために、主に断熱材の仕様と窓の性能について大きく法改正される予定です。
大まかに話すとすれば、2025年には断熱等性能等級4相当、2030年ごろには断熱等性能等級5相当の断熱性能が住宅に義務化されます。
私たちもこの法改正に合わせて順次断熱性能が国の基準を十分に満たすよう、設計内容を変更しております。

断熱性能の向上に向けて考えるべきことは?

さて断熱性能を考えるとき、最も大切なことは窓の性能を考えることです。
住宅の熱損失の多くを窓が占めており、→先のコラム←でもその内容についてはご紹介いたしました。
窓の特に「ガラス」部分が省エネ設計においては壁に比べて不利に働くため、昨今の住宅市場は小さな窓の家が多くなってきたようにも思います。

さてガラスにはいろんな種類がありますが「Low-Eガラス」という、金属塗膜をペアガラスの内側に塗布したガラスがこれまで省エネガラスとして導入されてきました。
ペアガラスというのは昔の単板ガラスと異なり、2枚のガラスの間に空気の層を設けて断熱性能を向上させたガラスのことを指します。
その2枚のガラスの内側に薄い金属の塗膜層をつくることで太陽光を反射して、夏の暑い日差しをカットしようというのが「Low-Eガラス」という製品です。
ただ一概に「Low-Eガラス」と言っても、実はいろんな種類があることをご存知でしょうか?

ガラスの性能について
「Low-Eガラス」は金属塗膜の色によって断熱性能が異なります。また塗膜を塗る「面」を変えることで、断熱性能や日射遮蔽性能を操作することもできるのです。
例えばアルミサッシや木製建具を取り付けるとき、私たちは高断熱型Low-Eガラス(内側塗膜)の窓を基本的に採用して、夏の太陽高度の低い東西の日射を遮るよう、家の東西面に高遮熱型Low-Eガラス(外側塗膜)を使用します。南面まで高遮熱型Low-Eガラスを用いると、冬場の暖かい日差しが室内に入らなくなるため、積極的にはお勧めしておりません。

高遮熱型Low-Eガラスを全ての窓に採用すると、省エネ性能の数値を簡単に上げることができますが、日差しの入らない家になってしまいます。省エネ性能を上げるために私たちは「深い軒の出」を標準仕様として採用し、また南のお庭に落葉樹を植えることで、太陽高度の高い夏の南の日差しは遮り、太陽高度の低い冬の日射を取り入れるように設計しております。高断熱型Low-Eガラスを上手に使いながら、ガラスだけでなく、建築空間全体で遮熱性能を考えることが重要です。

また同じ「Low-Eガラス」でも真ん中の空気層に「乾燥した空気」ではなく「アルゴンガス」を封入して断熱性能を高めたものや、窓のフレームに断熱材が仕込んであって外の温度を伝えづらくするものまで、現代の窓廻りは多種多様な工夫を凝らした製品が出ています

それぞれに価格も性能も違うことから、一律に同じ価値観で設計を進めると無駄に高価なものや過不足のある設計になってしまうので、わたしたちは適材適所に仕様を振り分けて採用することが大切だと考えています。
専門性の高い話題ですから、ご不明な点は設計士にご相談くださいね!

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