コラム
生態系のある庭づくり
住宅に庭がある必要性をご説明するのは容易ではありません。人によっては、もしかしたら別に無くても良いものなのかもしれませんが、住宅設計の際には、緑が近くにあるプランをご提案するようにしています。
◆「自然」が近くにいる生活
私たちは自然がもたらしてくれる「気づき」が、心落ち着く時間を与えてくれると考えています。
「綺麗な花が咲いている」「ひぐらしの鳴く声が聞こえる」「秋の夜長にウッドデッキに出てゆっくりとコーヒーを飲む」「雪降る中で火を見つめる」
そんな自然と人の間に起こる出来事が、せわしない日常風景の合間に、ちょっとだけ美しい時間を挟んでくれるような暮らし方を目指しています。
◆「自然」を研究する
そのためには「自然」を分析・設計しなければなりません。
山や森の姿を日々観察し、樹種の選定から地面の領域分け、草花の色どりなど設計段階から綿密に検討します。
季節に応じて違う花や実がつくように計画。現場で庭師と枝ぶりを確認し、一緒になって植木をします。そうして植生を感じられる庭づくりを心がけています。
そうした「生態系の宿る庭との暮らし」が美しい情景と、移ろう季節とのコミュニケーションをもたらしてくれると考えています。