2018.12.29
みなさんこんにちは。
いよいよ雪が降ってきましたね!当社事務所もこのとおりです。
事務所のある揖斐川町は豪雪地帯。雪自体の重みや積雪時の地震にも耐え抜くような力強い住宅の設計が文化としてあるのです。
さてさて、今回は揖斐川町小津地区にある月夜谷山荘さんの改修工事のご紹介です。
月夜谷山荘さんはお食事に加えて宿泊もでき、四季の移ろいを感じながら猪肉や川魚を囲炉裏でいただく料理屋さん。
お店のメンテナンスとして床の張替えを中心に工事いたしました。
既存の和室も雰囲気を良くしたいとのことで、壁の張替えもいたしました。
さて、いざ解体・調査開始です!
床下をのぞくと、和室のうち一室の構造部分が劣化しているのが見つかりました。
山あいの崖中腹にあるため湿気の通り道となり、床下に溜まった水分で木材の劣化が進んだ模様。
こちらはかつての改修の折、湿気を取るため床下に炭をまいたようですが、実はこの場合炭はそんなに効果的ではないのです。
炭はたくさん空いている孔による「吸放湿性能」が有名ですが、これはあくまで換気が十分な場合に働くもの。
例えば床下換気が十分でない場合、既にカビや劣化が激しく湿度がこもる場合、水回り近くや、また今回の土地のように常に湿気にさらされる場所などには効果がありません。
これは孔がたくさんあっても無限に水分をため込めるわけではなく、容量がいっぱいになるとそこで水分を吸わなくなるため。
きちんとした乾燥空気が循環して、炭がため込んだ水を乾かせる環境があってこそ、炭は機能するのです!
今回は裏の崖から常時降りてくる湿気によりそうした十分な乾燥空気は見込めなかったため、対策として床下の防湿シートを施工し、土間コンクリートを打設いたしました。
小森組の小森さん。
山あいの道路が狭いため店のむこうのスペースにに生コン車をセッティングすると…
ながーーーい通路をつくって一輪車でコンクリートを運びました。
これで湿気が地中からあがってくることもなく、床下の環境は改善するはずです。
土間が仕上がると解体した床組みを新しくつくり直し、防蟻処理を行います。
一方、別の和室は山県市の I 邸を担当しました横山棟梁が壁を張り替えています。
以前はピーリングと呼ばれる突板合板で仕上がっていましたが、お施主様のご要望により無垢材の杉板で仕上げることにしました。
床板も合板の仕上がりを無垢のパイン材にリフォーム!
足に感じる温かさが格段に変化します。
雪の多い小津地区でも安心ですね!
その後…
左官工事や塗装工事も完了して…
完成しました!
もとの囲炉裏や洒落た照明器具を中心に、素敵な感じにまとまりました。
こちらは窓際のかつての和室。
紅葉もちらりと覗く洋間に様変わり。
囲炉裏や座布団を敷けば、田舎の実家に帰ってきたかのような雰囲気になります。
こちらは玄関から見た様子。
足元の上り框も工事に合わせて削り直し、傷や汚れを取り払いました。
いかがでしたでしょうか???
メンテナンスをしただけで空間が見違えるようです!
川魚や猪肉もより美味しくなったでしょうか??笑
本日は、いえ、本年のブログはここまで!
ではみなさん良い年をお迎えください。