ゼネコン・ハウスビルダーで、設計・施工管理の統括職に就いていた私が独立したのは1993年のこと。着工棟数と収益を重視せざるを得ない実情に疑問を抱き、「本当に質の高い、お客様本位の住宅を作りたい」と決意したからでした。以来、ご家族の理想のライフスタイルを反映し、かつ日本の気候風土に合った長寿命の家を1棟1棟、すべての工程にこだわりを注ぎながら形にしてきました。その信念を貫けているのは、お客様はもとより、互いの仕事を尊重し合い、パートナーとして歩んでくださる職人たちに恵まれてきたからに他なりません。空間工房 森田が地域社会で果たすべき使命があったからこそ得られた恩恵とも言えるでしょう。そうした環境下で「現状に満足せず、より高いレベルへ」と、常に新しいことにチャレンジしながら培った技術やノウハウこそ、私たちの強みです。
当社の家づくりに共感いただいた皆さまとご縁がつながり、未来を描くお手伝いができたなら、これほどうれしいことはありません。

大学で建築を学び、卒業後は京都市にある横内敏人設計事務所に入所。設計デザインの修行を経て、空間工房 森田へ入社しました。
ありきたりでせわしない日常生活の中にも、ちょっとだけ美しく、ゆとりのある時間があると素敵だなと考えて設計に勤しんでいます。
暮らす上で必要最小限の要素に、お施主様の趣味趣向、季節を愛でる暮らし方、社会や人との交わりといった価値観が加わると、住宅はいわゆるプロトタイプ的な枠を超え、オリジナリティをまとっていきます。ゆえに私が大切にしているのは、お施主様のご希望の根幹を発見し、土地の特徴を読み解き、空間デザインを考えること。それは、本来あるべき文化的な生活の探究と言えるかもしれません。
個がより重視される時代へと向かう今、住宅の常識も変わっていくことになるでしょう。パーソナルな空間のあり方、人が集う時間のあり方、空間芸術としての家のあり方。そうした課題に建築士としてどう応えていくか。私たちの挑戦は続いていきます。